メーカー演題 |
末梢循環障害の薬物治療/リポPGEI製剤「リプル」 三菱ウェルファーマ株式会社 学術部東京支店グループ 伊吹 幸男 閉塞性動脈硬化(ASO)は動脈硬化の進展に伴い出現する、主として下肢の末 梢循環障害である。病状が進展すると、潰瘍・壊死が起こり、最悪の場合下肢 の切断に至る。AS0の内科的治療としては、生活習慣の改善や食事療法に加え抗 血小板製剤の投与が行われる。ASOはその臨床症状により、Fontaine分類Iか らWに分類され、比較的軽症の第I・U度では経口剤が使用されるが、V・W 度の重症例では注射剤が用いられる。リプル(一般名アルプロスタジル)はプ ロスタグランジンE1を脂肪粒子に封入した、AS0治療に効能・効果を有するリ ポ化製剤である。それまでのプロスタグランジンE1は長時間の点滴静注が必要 な上、血管痛などの副作用が多いなどの欠点を有していたが、本製剤ではリポ 化によりその欠点を改善するとともに、短時問・少量投与が可能で外来での使 用にも使いやすい工夫を施している。 |
白血球吸着除去器セルソーバEX〜潰瘍性大腸炎への適用〜 旭エマース(株)東京営業部 宮下 晃一 潰瘍性大腸炎という病気は一体どういうものなのか?というところから始ま りまして、昨年10月に保険収載されました、旭メディカル杜製白血球吸着 除去器セルソーバEXという商品について紹介します。治験のデータだけでは なく、実際の臨床データなどの紹介も踏まえまして、臨場感のある内容にしよ うと思います。 |
保存期及び透析中の慢性腎不全患者における高リン血症治療剤カルタン錠500 扶桑薬品工業株式会社東京第一支店武蔵野分室 山本 高史 この度、八王子血液浄化交流会にて、製品説明会に参加させて頂く事となり、大変光 栄に思っております。さて、1999年8月に高リン血症治療剤の新効能医薬品として薬 価新収載となり新発売いたしましたカルタン錠の採用率は、お陰を持ちまして現在、全 国透析施設の60%を越すようになってまいりました。今後も厚生省指導の薬剤を適正 使用の観点から、採用率の増加が見込まれるものと思われます。今回、当製品を紹介 させて頂くにあたり、多少なりとも、ご参考になれば幸いです。 今後とも、皆様の御発展を願ってご挨拶とさせていただきます。 |
施設演題 |
AK-90の修理・点検に基づく状況報告 あけぼのクリニック 濱野 洋揮 -はじめに- あけぼのクリニックで使用しているAK-90はガンブロ社製でほとんどが 1995年に導入された透析機器です。月別に機器のメンテナンスを施行し ていますが、年間を通して約300〜400件程のエラーが発生しています。 当クリニックでは、機器管理に対してコンピュータのファイルメーカで 作成したデータベースにエラーが発生する毎に、その時の症状・内容等 を記録しています。当クリニックのメンテナンスは、1つの月に偏りが 無い様にある程度分散して点検・清掃あるいは部品の交換を行なってお ります。過去2年間の月別に発生するエラー件数の比較で、 F.ch(Fnctioncheckの略)時とは機械の機能確認時に発生したエラー です。その他というのは、二項目以外に発生した時のエラーを指します。 2000年・2001年5月頃迄のエラーの数値が高くなっておりますが、これ は2001年5月にAK-90の機械をバージョンアップするまでのエラーが多 かった事を指します。それを施行するまではパネル部分にランプを使用 していて、これが切れ易い物でしたが、施工後LEDに変えてからはエラ ー件数が減少しています。 -エラー発生時の内訳- 過去2年間のエラー時の作業内容では、交換修理と再起動のエラーが大 半を占めています。交換・修理の2000年・2001年とを比べると、エラー 件数が増えているのに気づくかと思われます。 過去2年間の交換部品では、ランプの交換が減り、それ以外の部品交換 が目に付くかと思われますが、これは部品の耐久年数によるものであり ます。交換する部品の目安は、5000時問、年数に換算しますと約3.4年 程であります。 -まとめ- 今回・透析機器管理で解った事はメンテナンス以外にも機器の使用状況・ 交換した部品の耐久性等を考慮してエラーを未然に防げるような状況を 作っていくのに点検スケジュールの再度見直しが不可欠だと考えられる。 |
動脈側チャンバーの有用性の検討 東京都国民健康保険団体連合会南多摩病院人工透析科 岡田国男、今田純一、松尾朋昭、川畑政弘、安本浩二、山崎聡子、北川元信 1.はじめに ダイアライザーの形状は積層型(キール型)・コイル型から現在の主流であるフォローフ ァイバ型へと変化している、それに伴い回路の形状も変化し現在では各施設が独自の回路 を使用していると言っても過言ではない。 基本的には血液ポンプにより脱血した血液は動脈側チャンバーを通りダイアライザーに 流れ更に静脈側チャンバーを通り返血される。 我々は動脈側チャンバーの有用性に着目してみた、積層型・コイル型では静脈側チャンバ ーのみであったが、フォローファイバ型ではエアーの混入によるファイバーの塞栓の可能 性があるため動脈側にもチャンバーを付けたと考えられる。 現在フォローファイバのポート部の形状も改良されてきたこともあり動脈側のチャンバ ーは無くても少量のエアーはダイアライザーのIN側を下に、0UT側を上にすることにより 塞栓を起こすこと無く静脈側チャンバーまで流せるのではないのか。また、動脈側チャン バーがあることによる弊害は無いのか検討してみた。 2.検証 当院維持透析患者数名に協力を得て動脈側チャンバーのない回路を実際に使用して若干 の知見を得たので第一報として報告する。 1)動静脈チャンバーに凝血のある症例に使用したところ非常に有用で静脈側チャンバー の凝血が解消された 2)抗凝固剤の使用量の減量が可能だった 3)ダイアライザーのIN側を下に0UT側を上にすることにより多少のエアー発生に対し問 題にはならなかった 3.まとめ 動脈側チャンバー無し回路はダイアライザーの血液の流れを下から上にすることにより 空気塞栓等を起こさず安全に使用でき、チャンバー内での凝血を防止できた。更に抗凝固 剤の減量も可能だった。 |
ETカットフィルターの使用方法と性能評価 八王子東町クリニック府中腎クリニック 樋貝弘明、土井正勝、杉崎弘章、山内工、宇賀厚子、斉藤公兵 阿南敬、水島和一郎 透析液の清浄化に重要なETカットフィルターの使用方法を検討した。 1)従来法と新たな定期フラッシング法の比較と外内(従来法)−内外濾過法 の相違。 2)A,B,C,D杜製フィルターの性能評価を検討した。 方法 多人数用透析装置4台に従来の接続方法にてA社のカットフィルターを設置 し、4社のフィルターを2台ずつ計8台に設置、フラッシング出来る様に出 戻り口に電磁弁を設置した。サンプリングは毎日7週間ゴムボタン式のサン プリングポートよりアルコール消毒後ディスポ注射器にて採取、和光純薬ト キシノメータMT-358にて測定。 結果 フラッシングによるET阻止率は有効であった。 フラッシングの内外、外内濾過法によるET阻止率は内外法が有効であった。 4杜の比較で有意差は認めなかった。 |
腎移植後透析再導入患者の骨変化に関しての検討 東京医科大学八王子医療センター臨床工学部、外科学第五講座* 鈴木紀江、山下忠邦、大久保淳、杉原英司、久野木忠、畑谷重人、 今野理*、中村有紀*、鳴海康方*、内山正美*、松野直徒*、長尾桓* [目的] 腎移植後透析再導入となった患者の骨変化および各種パラメータの変化に ついて検討した。 [対象・方法] 腎移植後透析再導入患者(移植群:男性2名、女性1名、)の骨塩量、i-PTH, BAP等を1年問で計4回測定した。同時に骨塩測定用のレントゲンにて骨膜 下吸収、石灰化の有無を確認した。又、同年代の透析患者(非移植群:男 性2名、女性4名、)についても同様に行い比較、検討した。 [結果] 移植群の骨塩量、皮質骨指数は基準値の50?60%程で非移植群と比べても 有意に低値であった。又i-PTH,BAPは高値を示しており、骨の障害が示唆 された。レントゲン上も軽度の骨膜下吸収や石灰化が確認された。 [結語] 移植群ではステロイド剤等の投与により骨障害の進行が考えられる為、定 期的に骨塩量やパラメーターの変化を観察し、治療法を検討することが必 要であると、思われた。 |
プラスチック針及び二一ドレス対応ゴムボタン付き血液回路の使用報告 東京都国民健康保険団体連合会南多摩病院人工透析科 松尾朋昭,岡田國雄,今田純一,川畑政弘,安本浩二,山崎聡子、北川元信 【目的】@針刺し事故による院内感染の防止プラスチックカニューラ(プラスチック針)を 使用することにより採血・注射・点滴及び廃棄物処理時の針刺し事故を回避し院内感染の リスクを低減する A危険廃棄物量の低減 金属針の使用量を軽減する事により,医療廃棄物中の危険廃棄物量を低減する 【方法】プラスチック針と二一ドレス対応ゴムボタン付血液回路を使用し,透析前採血は採血ホルダ ーを使用し真空採血管で採血,定時注射及び透析後採血はシリンジを使用しゴムボタンより 行った,点滴は輸液ポンプを使用しておこなった 【結果】プラスチック針と二一ドレス対応ゴムボタン付血液回路を使用することにより血液と接触す る穿刺に関し金属針の使用を低減出来,安全に透析業務をおこなうことが出来た 【考察】薬液準備時等の金属針使用を無くす検討が必要である,又プラスチック針を使用しない ダイレクト方式血液回路の検討も必要と感じた 【まとめ】プラスチック針と二一ドレス対応ゴムボタン付血液回路は針刺し事故及び危険廃棄物量の 低減に対し安全かつ有効な方法であり,医療スタッフの精神的負担の軽減にも効果があっ た。 |